課題達成型QCストーリーのまとめ方とは?目的・手順・事例なども含めて考える

2019年11月7日木曜日

QC検定 ビジネス

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QCストーリーはQCサークルで問題解決するときのやり方を表したものであり、そのストーリーには問題解決型と課題達成型の二つに分かれます。


課題達成型QCストーリーは改善活動における必須ツールとして知られておりますが、意外と内容があやふやな方が多いかと思います。


そこで本記事は課題達成型QCストーリーについてまとめてみました。


前回の記事では「問題解決型QCストーリー」についてまとめています。興味ある方は↓↓↓

問題解決型QCストーリーとは?手順や事例などについて考える。~QC検定攻略~

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QCストーリーとは



QCストーリーとは QCサークルで問題解決する際の基準となる進め方


上記のように一般的には知られており、この基準を進行していくにあたり注意することがQCストーリーは「PDCAの流れに沿って行う」という事です。


そしてこの流れを途中で止めず確実に最後まで繋げていき現場への定着を図ることが最大の目的となります。



課題達成型QCストーリーとは



課題達成型QCストーリーとは現状をより高いレベルに更新していくための達成すべき課題が与えられた時、これを達成する事を目的とする改善活動で用いられる基準となる進め方です。


課題達成型のポイントとしては以下になります。

課題達成型のポイント 最終的な目的・目標を明確にして、今ある姿とのギャップを明確にする事


つまりゴールをしっかり決めて、そのゴールにたどり着くには何が足りないかを明確にするという事です。


そしてギャップが明確になった後は重点的に取り組む「攻めどころ」を決めていきストーリーを進めるうえでこの攻めどころは常に意識していくポイントとなります。


ここまでを簡単にまとめると課題達成型QCストーリーは、今まで経験したことがない高い水準の目標の探索に有効であることが分かります。



課題達成型QCストーリーの目的



さて課題達成型QCストーリーというのは過去に経験のしたことがない・達成したことがない高水準のゴールを掲げ、それを達成する探索を行うことが「課題達成型QCストーリー」でした。


それでは具体的にどのようなテーマが適用されるのでしょうか。

1)現水準の大幅改善
2)開発段階の問題の解決
3)立ち上がったばかりの課題の解決
4)対策案が未知の問題の解決

以上が課題達成型QCストーリーの目的であり、いまだ未踏の問題・課題に対して解決・改善していく事が最終的な目的であることが分かります。


今までの事をまとめると、課題達成型QCストーリーは原因追求型問題の解決に重点を置いており、目標を見据えた問題を解決するための設計的アプローチを手順化したものであるとも言えます。



QCストーリーの手順・まとめ方





課題達成型QCストーリーには8つの順序があり、1~8までやり遂げてようやくストーリーを終えたことになります。


これらのストーリーはPDCAサイクルとも深く関係してきます。



画像を見た頂ければお分かりかと思いますが「Plan」に重きを置かれており、次に「Action」が大きく示されています。


「Plan」が重要視されていることから最初の「攻めどころをいかに明確にするか」が大切なのを暗に示してることが分かります。


また「Action」が大きい理由としては、そもそもPDCAサイクルは継続的改善を最大の目的としています。


なのでPDCAを行うことが課題達成型QCストーリーの目的ではなく、PDCAを回すことが本質となります。


次行う改善の熟考をするために「Action」が重要視されています。

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テーマの選定


現在存在する数多くの問題から何を選択すればいい結果に繋がるか、日々の仕事と向き合いながら考えていき、最も求められている問題を見つけ出し、その問題を課題解決型QCストーリーの「テーマ」として選定します。


テーマは出来るだけ分かりやすく端的にまとめるべきですが、「売り上げをあげる」のような漠然としたものではなく、「売り上げを○○日までに○%あげる」のようなある程度具体的にまとめることが重要となります。


またこのテーマ選定は「経営課題」や「品質方針」に沿っているテーマを選択しましょう。





攻め所の設定と目標の設定


目標と攻めどころを決定するにあたり注意する点としては「現実的に達成できそうなゴールを設定する」事です。


極端な話「来週までに異常品を〇〇%減らす」という目標を立ててしまうとまず達成は出来ません。


大切なのは最後までやり遂げることが出来る目標を設定する事です。


それを可能にするのは、今置かれている現状と求められている要求を比較しギャップを把握し、適切な攻め所を把握する事です。


例えばパレート図である結果が出ているとします。



この項目「あ、い、う、え、お」でどれを改善するかと問われたら、もちろん「あ」を選択しますよね。


つまり攻め所は重点指向で絞り込んでいくのがポイントとなります。

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今出した例えはすでに結果が出ているので簡単に決定できましたが、構成要素自体が漠然としている時はどうするべきなのでしょうか。


その時はQC7つ道具の一つである「特性要因図」を用いて絞り込みを行いましょう。





決定したテーマについてなぜこの結果になったのかという原因・要因の解析を行います。


この時要因は4Mを用いて行い、その要因をさらに細分化していき特性に導きます。


・人 :Men
・材料:Material
・機械:Machine
・方法:Method

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特性要因図を用いて解析を行う場合はブレーンストーミング法を用いて要因項目を集めていきましょう。


ブレーンストーミング法 ①他人の発言を否定しない
②質より量を大切に
③判断・結論は控える
④アイディアを組み合わせ発展させる 


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活動計画の作成




テーマと目標を設定したら活動計画を作成しましょう。


ここでは「何を」「いつまでに」「どれくらい」成果を挙げるか明確にしておきましょう。


これらの基本要素を明確にしておくことで後々のステップがスムーズに進行します。


またそうすることで自身のモチベーションにも繋がります。


活動計画作成には、QC7つ道具の一つである「ガントチャート」を用いる事で一目で結果を把握できるのでぜひ活用していきましょう。

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方策の立案


ギャップを埋める方策を立案します。


何をどのようアプローチしていけばそのギャップが埋まるのかというのを突き詰めていきます。


ここでは方策の立案をする想像力が試されるため、多角的方面から想像をしていきましょう。





成功シナリオの追究・実施


問題解決型QCストーリーではそもそも問題がありそれを解決していくという、ある程度敷かれたレールがありました。


しかし課題達成型には「課題→成功/失敗」という未知数な未来が待っています。


未来はどうなるか分かりませんが、失敗に陥る確率を下げることは今できるはずです。


出来るだけ成功する手立てを考えそれを実施していくのが重要となります。


つまり不測の事態が起きても、事前に対策を講じる事で課題達成が+に向うように計画する事が重要となります。



効果の確認



シナリオの実施効果を確認します。


どれだけ達成・改善できたのかというのは出来るだけグラフや数値を用いてまとめます。


もし効果が出ていないときはシナリオを思い切って変更しましょう。





標準化と管理の定着



標準化を行う際は確実に日常管理に落とし込みましょう。


またこの内容というのを確実に関係者に認知・理解・教育を図り今後も継続して維持管理に繋げる事が最大の目的となります。


標準書を作成し、SDCAのサイクルとして回すことで確実に関連部署に管理の定着をしていきます。



反省と今後の計画


これまでの活動を振り帰り、さらに残された課題・今後の行動計画を立てていきます。


また維持管理は基本のPDCA・PDCASを意識して行うことで継続的な改善活動の成功に繋がります。



幅広し課題に対しての結果というのが100%であることは限りなく0に近いです。


必ず何かしら無駄・改善点があります。


それらを見つけて改善し、維持継続を行うことで良い職場環境を気づくことに繋がるでしょう。


以下にて課題達成型について詳しく書かれています。
興味ある方は↓↓↓





まとめ


攻め所は慎重に選定

改善できたことは標準化して確実に落とし込む


いかがでしたか?
今回は課題達成型QCストーリーについてまとめてみました。


次回は品質管理と品質保証についてです。それでは!

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