小集団活動(QCサークル)の目的と進め方について、例を用いて分かりやすく解説

2020年2月1日土曜日

QC検定 ビジネス

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企業という枠組みの中で、マネジメント層以外の人たちが行う活動とは何があるでしょうか。


営利目的で活動していく限り、継続的改善活動は無くてはならない取り組みであり、これは特に一般従業員が積極的に行っていく事が重要となります。


この取り組みの一つとして挙げられるのが小集団活動といいQCサークルと略称されています。


本記事では小集団活動のQCサークルの目的と進め方についてまとめていきたいと思います。



小集団活動とは



小集団活動(QCサークル)とは企業に属する一般従業員が職場改善を行うための自主的な改善活動の事を指します。


この小集団活動は総合的品質経営であるTQMの一環として考えている企業も存在しますが、「TQM=QCサークル」ではない事には注意を払っていく必要があります。


ここでいうTQMとは顧客の満足を通じて組織運営、社会の利益を目的とする「品質」を基盤とした組織の構成員の全社的な参画を基礎とする経営方法といわれています。

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QCはアメリカから導入されましたが、QCサークルは日本起源の小集団活動であり、同じ職場で勤務する一般社員の小さなグループで構成されたものとされています。



永続的な改善活動とは



そもそも何故小集団活動を行っていく必要があるのでしょうか。


その答えは「企業が営利目的で活動していく限り改善活動が行われ続ける」事だと考えられます。


日常的に行う管理活動の中には、維持管理する活動と改善とで分類されます。


ここで維持と管理の要点をまとめておきます。


Point.1 維持管理 水準を設定しその水準からぶれないようにする事。またぶれた場合は瞬時に元に戻せるようにする活動


Point.2 改善 水準を現状より高いレベルに設定し、問題又は課題を特定し、問題・課題達成を繰り返す活動




図に示したように維持と改善は交互に行わなければいけません。


もし仮に維持だけ行った場合現状維持のみだけであり、今以上の水準に達することは出来ないでしょう。


一方改善のみにおいても管理は旨くいきません。一見改善するのだから根本的によくなるのでは?と感じるかもしれませんが、結局その改善したことを維持して定着させないとミスや異常のきっかけになってしまいます。


この事より、継続的に改善活動をするうえでは維持管理と改善のバランスが大切になってきます。


またこれら活用した維持管理のサイクルがPDCAサイクル・SDCAサイクル・PDCASサイクルになります。


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改善では問題に対して緊急対策を施しただけでは改善をしたことにはなりません。


長期的に対策を施したり、根本的な問題を解決する恒久対策を取ることが必要とされます。


例えばメモを取るための紙を製造していたとします。


この紙がもし折れていたり破けてしまっていて商品価値がなくなってしまったという問題が発生してしまったとしましょう。


この場合、お客様に謝罪・お詫びをする事は勿論ですが、不具合がない製品と取り換えるという対応は勿論行うべき対応です。


また製造ラインを止めて不良品の拡大を阻止することも必要になってきます。


しかしこれらの対策は「何故紙に折れ・破けが生じたのか」という根本的な
問題に対してアンサーを示せていません。


こうした対策はあくまで暫定対策でしかありません。


紙が折れた理由、破けた理由を追究して、その根本的な問題に対して、策を講じて再発防止を図る事が恒久対策であり、こうした対策を取って初めて改善といえます。



永続的な小集団活動



問題が発生したとき単に恒久対策を施せばいいのかといわれればそうではありません。


改善活動は恒久対策を取るだけでなく、永続的な改善活動をしていく必要があります。


企業は営利目的で活動している限り湯水のごとく課題が無限に表れ一つ解決したら2つの課題が発見されるなんてこともざらです。


そこで特に製造業では継続的・永続的な改善活動を行っていくために、小集団で改善活動を進めていく仕組みを取り入れています。



小集団活動の目的・進め方



それでは最後にQCサークルの目的と進め方についてまとめていきます。


QCサークルの基本定義では以下のように記されています。

QCサークルの定義

【QCサークルとは】
第一線の職場で働く人たちが、継続的に製品・サービスなどの質の維持管理・改善を行う小集団の活動である。

【QCサークルの進め方とは】
活動を進行していくにあたり活動は自主的に行っていく事が重要である。またQC手法などを効率的に活用していき、創造性を発揮していく事は勿論、自己摘発・相互摘発を図り刺激しあいながら活動を進めていく。

【QCサークルの目的とは】
個人個人の目的としては「能力向上」「自己実現」「明るい職場環境の構築」。これらの目的を大勢が達成していく事で、QCサークルの最終的な目標である「顧客満足」「社会貢献」の達成に近づく。


小集団活動は多くの場合一般社員をさしますが、経営者・管理者もQCサークルを実践していきます。


経営者・管理者は企業の体質改善・発展に寄与させるために、人材育成・職場活性化を図るとともに、自らTQMなどの全社的な活動を通じて全員参加のQCサークルを目指した指導・支援を行います。


また基本理念としては以下の3つが掲げられています。

QCサークルの基本理念

・企業の発展・体質改善に寄与
・明るい職場環境の構築
・人間の能力の効率的活用

QCサークルは職場改善になくてはならない活動です。


小集団活動を効率的に活用していき、よりよい職場環境・顧客満足を作っていきましょう。



まとめ



・QCサークルは永続的な改善活動である
・企業の体質改善・発展に寄与
・明るい職場環境の構築


いかがでしたか?今回はQCサークルンについてまとめてみました。


次回は品質マネジメントシステムについてです。それでは!


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