連関図法の例・作り方・使い方・種類とは?~連関図法と特性要因図の違いにも触れていく

2019年9月22日日曜日

QC検定 新QC7つ道具

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皆さんは複雑に絡み合った原因の明確化はどのように行っていますか?


問題が発生したときは、すぐに行動を起こすのではなく、原因と結果を客観的にみて究明していく必要があります。


この原因究明に役立つツールの一つとして「連関図法」が挙げられます。


連関図法は図がやや複雑であり、よく理解していない方も多い方もいると思います。


そこで今回の記事では新QC7つ道具の一つである「連関図法」の使い方・作り方・特徴などを例を用いて解説していきます。



連関図法とは



【連関図法とは】
「原因ー結果」、「目的ー手段」など複雑に絡み合った問題に対し、因果関係や要因同士の関係を明らかにすることで問題を解決していく方法

上記のように定義されています。


所見さんでは何を言っているか分かりずらいかと思います。


少し分かりやすくまとめてみました。

連関図法とは 連関図法とは「原因ー結果」、「目的ー手段」など複雑に絡み合った問題に対し、因果関係や要因同士の関係を明らかにすることで問題を解決していく方法

つまり原因と結果が複雑に絡んでいる問題に対して、原因同士の因果関係も含めて幅広い視点でとらえる事で問題を分析していきます。


この時それらの関係を論理的に矢印で繋いでいく事で、複雑に絡み合った糸をほぐし、重要な原因や有効手段の明確化を行っていきます。


そもそも何故連関図法を活用するのかというと、複数の問題が存在する場合、一つの問題だけ対処しても根本的な解決には至らないからです。


せっかく時間をかけて改善したのに想像以上に結果に表れていない、、なんて事態に陥らないための「連関図法」の活用です。



連関図法の使い方・メリット



さて連関図法は複雑に絡み合った問題に対し、因果関係や要因同士の関係を明らかにしていく事で問題を解決していく手法でした。


次に実際どのような時に活用して、何が分かって、分かったことで何が出来るのかについて触れていきます。

【連関図法の使いどころ】
①事実を分析・解析し根本的な原因・問題を追及する時
②複雑に絡みあった原因や問題を整理するとき

1は根本的な問題の解決で例えば「泳ぐのが苦手」というテーマがあるとします。


「泳ぐのが苦手な人」の一次原因の一例として「運動が苦手」という人もいれば「水が嫌い」、「そもそも泳いだことがない」のようなのが挙げられたとします。


人によって考える事、感じる事は異なり、その一つ一つに対して深堀をしていく事で、真の原因究明に繋がります。


この例の簡易的な連関図(三次原因まで)を作成してみました。


ご覧になるとわかるとおり、「泳ぐのが苦手」な人はどんな原因が絡み合っても、結論その道のプロである水泳のコーチからアドバイスを頂くことが全体的な解決に近づくという事です。


②の原因や問題の整理に関しては、原因がかなり複雑でかなりの数の組み合わせがある場合はいったん整理を行い、近い原因をまとめたりなどを行うことで、後々の連関図の作成がスムーズにいきます。

【連関図法で分かる事・出来る事】
複雑に絡み合った因果関係を整理し、潜在的な原因を浮き彫りにして真の原因をとらえる事

これは先ほどの連関図法の使いどころと重複する内容の話になりますが、連関図法は、複雑なら複雑であるほど効力を発揮し、利用価値があります。


今まで表面的にしか見えていなかった原因を洗いざらいさらけ出すのに有効なtoolとなります。


連関図法の種類




連関図法には大別して4種類の型がありそれぞれ狙いが異なります。

1)原因追求型
2)中央集中型
3)一方向集中型
4)関係表示型

この中でよく知られているのは「原因追求型」「中央集中型」となります。


それでは簡単に図を用いて説明していきます。




原因追求型



各々の原因というのは「原因ー結果」というので構築されており、それらが因果関係で結ばれています。


これが連関図の基本概念であり、つまり「原因追求型連関図=連関図の基礎」というのを表しています。




中央集中型



これは解決したいテーマをもたらす原因を「一次原因」「二次原因」「三次原因」というように枝分かれのように追究していき、それを矢印で結んでいきます。


この型が一番なじみ深いので、すでにご存じの方も多いと思いますので中央集中型に関しての説明はここまでにしておきます。





一方向集中型



解決すべきテーマを端(左右上下どこでも可)に置き、それぞれの原因である主な因果関係の流れに沿って一定方向へ展開していく型になります。


中央集中型のように各方面から攻めるより、一方向からテーマについて説明した方が理解しやすいときに用いられます。





関係表示型


様々な角度から「原因ー原因」を把握したい時に用いられ「結果ー原因」の因果関係よりも前述を優先したい時に活用されます。


関係表示型はあくまで「原因ー原因」を調査したいのでこの時、テーマ(結果)は表示しないことが多いです。





連関図法と特性要因図の違い



要因解析のツールは連関図法のみではなくQC7つ道具の一つである「特性要因図」もあるのはご存じでしょうか?


これら二つのツールの違いは「原因の広さ・深さ」「簡易さ」「ツールの活用対象」に分類されます。


上記のように連関図は複雑な原因を持つときに真の効力をメリットとして発揮します。


また顕在化した問題以外に潜在化している問題の発見に貢献できることもメリットの一つと言えるでしょう。


特性要因図について詳しく知りたい方は是非↓↓↓

QC7つ道具の特性要因図とは?書き方・作成方法・4M・5Mについて分かりやすく解説

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連関図の作り方



連関図の作り方は大別して4つのステップに分類され、このステップの順を追って連関図を作成していく事が基本的な進め方になります。

1)テーマの決定
2)要因の検討
3)因果関係の確認
4)図の確認




テーマの決定



解決したい問題をテーマとして取り上げ明確にしておきます。


決定するときは関係者全員が共通かつ共感できる問題である事を確認し、共通認識を持つようにします。


挙げられたテーマは一般的には「中央集中型」を選択し、テーマを中心に外側に向けて原因を展開していく流れが望ましいです。





要因の解析



テーマに関連する要因を挙げていきます。


この要因の洗い出しはブレーンストーミング法を活用し要因として思いつくものをどんどん挙げていきます。

ブレーンストーミングの4原則とルールとは?ブレーンストーミング法の効率的な進め方について考える

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「何故、このテーマ(問題)が発生するのか」をメンバーで意見を出し合い合意を得たらラベルに記入していきます。


この時、「この意見は真の原因の本質を見抜いているか」などヘビーな問題は次の段階で検証を行うので、この段階では気にせず「1要因=1ラベル」で因果関係を意識して具体的に記入していきましょう。



因果関係の確認



すべてのラベルに関して、「要因ー結果」で関係を結んでいきます。


この時以下の3ステップに痛がって確認を行います。

1)任意の要因ラベルを選択する
2)結果のラベルを選択する
3)因果関係を結ぶ
4)因果関係を連鎖的につないでいく


例えば太っている人の主な原因は「運動をしていない」というのが挙げられます。


このように関係を矢印で繋いでいきます。


さらに太っているというのを原因に見立てて、これら原因の根本的な結果を選出していきます。


このように解決したいテーマ(問題)まで行きつくまで追及を繰り返していきます。


ここでは泳げないというテーマを挙げたとします。


泳げない原因の一つに「太っている」というのが挙げられその原因が「運動していない」からと関連付ける事が出来ます。*太っている人が泳ぎが得意というイメージが強いですが「浮きやすい」という実際は利点のみです。


以上のように他の原因に関しても同様に関連付けを行っていきます。



連関図の確認



最後は連関図の見直しを行っていきましょう。

1)因果関係の把握漏れがないか
2)矢印が重ならない様にバランスよく配置

これらに注意して連関図の確認をおこないましょう。



連関図の見方(因果関係の傾向)



連関図を作成していくにあたり、原因同士の間の因果関係にはパターンがあるのに気づくかと思います。


それらのパターンとそれらが意味することについて3パターンでまとめました。

1)連結型原因ラベル
2)多出入り型原因ラベル
3)出発点型原因ラベル



連結型原因ラベル



これは直接問題を引き起こしていると考えられる原因の事です。


ポジション的にはテーマ(問題)に直接つながっており、数は厳選されたものとなっています。



多出入り型原因ラベル



これは矢印が集中しているラベルの事を指します。


これが暗に示すことは、「問題にとってネックな原因」という事です。




出発点型原因ラベル



テーマからはかなり遠い原因とはなりますがきっかけとなった原因ラベルになります。




QC検定における連関図法の攻略法



この記事を見てくださっている方の中には、QC検定の受験を視野に入れている方もいるかと思います。


なのでQC検定における連関図法の要点をまとめてみました。

QC検定の連関図法攻略 複雑に絡み合った問題に対し因果関係要因どうしの関係を明らかにし、問題を解決する

となります。上記は全部大事ですが特に「因果関係」「要因どうし」は絶対覚えましょう。


連関図法の説明の選択問題が出題された場合、「因果関係」が出た瞬間、連関図法を選択しましょう。よく出ます。


正直連関図法は出題されすぎて理解していなくても、出題傾向さえつかんでしまったら、サービス問題以外の何ものでもないです。


最後に私なりの覚え方がありまして、すごいダサいですがいちを参考までに。



連関図法=矢印なぜなぜ



以上です。



まとめ


・連関図法とは「原因ー結果」、「目的ー手段」など複雑に絡み合った問題に対し、因果関係や要因同士の関係を明らかにすることで問題を解決していく方法

・因果関係が出たら連関図法確定

・矢印なぜなぜ




いかがでしたか?文章のみだと全く分かりませんが図や要点を絞れば見えてくるものがあったかと思います。


頻出分野なのでぜひ理解を深めましょう。


次回は系統図法についてです!それでは!

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