出荷検査の目的とは?最終検査の役割、重要性・信頼性について考える。

2019年12月12日木曜日

QC検定 検査

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不良品が世に出回るか出回らないか、それをジャッジするのは受入検査でも工程内検査でもなく最終検査です。


この判断を誤ると、自身が想定していなかった大事になることは勿論、トラブルや多くの方々に迷惑をかけてしまう事態に見舞われます。


そうならないために最終検査はどういったことを意識して行い、また目的というのも明確にしていこうと思います。


検査の重要性





自社で製造した製品に不良がありそれが世に出回った瞬間からそれは問題として扱われます。これを未然に防止するために「検査」を行い不良品の市場流出を防ぐ必要があります。

ー検査とはー
サービスや製品において測定・検査などを行い、規定要求事項(ISOの基準)と比較して、適合・不適合を判断する活動

また上記の「適合」が示すものは規定要求事項を満たしている事であり、満たされているものを「適合品」、満たされていないものを「不適合品」といいます。


検査の実施対象は大別して以下二つとなり、判定対象も異なってきます。


・製品 :適合品・不適合品
・ロット:合格・不合格


ここで検査の目的について触れていきます。

検査の目的とは 安定かつ優れた品質を顧客に提供するために、製品が基準内に収まっているか評価し、その評価を関連部署にフィードバックを行い、工程改善につなげる事

検査というのは単に検査を行って「適合・不適合」、「合格・不合格」を提示するのが目的でなく、検査によって根本的な不良の流出を防ぐことが第一の目的となります。



検査の分類



検査を行う時に重要なのは、その時求められている検査方法を的確に選択し、正確に利用していく事が重要になります。


上記を確実にこなすことで、不良品の発生を削減したり、不適合品の世の中への流出を防いだり、後工程からの信頼、市場からの信頼を得ることが可能となります。


この検査方法の種類は大きく分けて3つに分類され、さらにそこから細分化していきます。




大別すると「生産プロセス」「判定方法」「実施方法」のつに分類され、そこから「受け入れ検査」「官能検査」「全数検査」と言うように細分化されます。


品質管理における検査の種類についてまとめています。興味ある方は是非↓↓↓

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最終検査(出荷検査)とは?



ー最終検査とは【JIS Z 8101:1981】-
完成した製品が、製品として要求事項を満たしているか判定するために行う検査

まず初めに出荷検査と最終検査という二つの言い回しがありますが、それは企業によって分類のしかたはまちまちなのでどちらでもOKです。


私的には「最終」の方が理解がし易いのでこちらの方で覚えています。


この最終検査(出荷検査)の役割というのが以下になります。


最終検査の役割とは




【最終検査の役割】
完成品が設計品質を満たしているのかを確認する事

また「品質」には設計品質・製造品質・販売品質に分類され、その中の設計品質とは習いの品質とも言われており、設計図などや定められた基準通りに作られた品質の事を指します。

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その品質の尺度は製品仕様が顧客の要求に合致しているかどうかで決まります。


この設計品質を作成するにあたり品質機能展開(QFD)やデザインレビュー(DR)などの禀質保証を行います。

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この設計品質を確かに満たしている製品を出荷するための検査が最終検査ですが、ここからはあまり大掛かりな検査機などを活用するというより、「目視確認」など人の感覚によるものを活用していきます。


最終検査をこの簡易的に済ませる事が出来るかは、いかに「受け入れ検査」「工程内検査」を徹底して行うかがカギとなります。

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これらの検査を確実にこなした時「目視検査」などを行うことが出来ます。


この時「目視検査」などの人の感覚に左右される方法を活用する場合は、一人ではなく最低二人、三人などを行うといいでしょう。


単一の確認となれば必ず見落としが発生する事は容易に予想できるので、客観的に判断を下せる第三者の目で☑をしてもらいましょう。


このチェック方法ですが「点検用チェックリスト」などをうまく活用し、効率化を図るといいでしょう。

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最終検査の目的




それでは最後に最終検査の目的をまとめていきたいと思います。

最終検査の目的とは 不良品・異常品が世の中に出回るのを防ぐのが最大の使命

「受入検査」「工程内検査」とは異なり、ここを過ぎるとお客さんのもとに届き、内部の問題ではなくなります。


そのため製品の外観検査や、取扱説明書、保守部品など必要なものを入れて、全ての物が入っているか確認してから、梱包をおえ出荷するようにしましょう。


まとめ


最終検査の最大の使命は「不良品」の市場流出を防ぐ事

「内部」の問題でなく「外部」の問題になるので最新の注意を払う


いかがでしたか?
今回は出荷検査についてまとめてみました。


次回は官能検査ついてです。それでは!

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